カラスの思い出
2001年10月30日いつもよりも出勤途中の道が空いていて、到着予定時刻より30分も早目に到着した。
せっかく30分も早く着いたんだから、一服してるかな、と事務所へ向かうと職場の人に声を掛けられた。
『キクがカラスにやられてるよ』
振り返ってみると、確かにカラスにやられていた。
大きな頭をカラスの両足でわしづかみにされて、バタバタしていた。
助けに行かなきゃいけないのは分かっていたんだけど、思わずお腹をかかえて笑ってしまった。
だって、手足をバタバタさせて抵抗してたから(笑
キクとカラスの方に向かって石を投げたら、カラスがビックリして逃げていった。
その後、キクは何もなかった様な顔をしてオシッコ。
見ても傷も何もないので一安心。
多分、からかわれただけだろうな。
それにしても会社の周りにはカラスが多い。
ゴミをひっくり返されて、ひっちゃかめっちゃかにされるのは日常茶飯事。
カラスで思い出す出来事が2つ。
◆一つ目は、カラスのさらし者◆
ずーっと前からカラスが多くて、被害もかなりのもの。
『どーにかならんもんかね?』
と職場で話し合っていると、うちの会社に出入している電機屋さんのお兄さん。
『任せといて!』
とある朝、8:00前からやってきた。
趣味の一つ、とやらゴッツイ空気銃を持ってきてカラスめがけて撃ちまくり。
これが結構、命中するんでビックリ。
命中したカラスは空気銃のショックで死亡でさらにビックリ。
何でもカラスみたいな頭のいい動物は、自分の仲間の死体をさらされると、当分寄っては来ないとのこと。
・・・頭のいい動物じゃなくたって、死体のあるような場所には寄り付かないような気がするんだけど。
5羽くらいだったか?カラスの死体をさらし者にしていた。
お客さんから見える場所じゃないと言ったって、見ている従業者もいい気分はしない。
いつまでも吊るしておくワケにもいかず、1週間程で死体を片付けると次の日からカラスが通常通りいたのを覚えている。
・・・わざわざ殺すような手段をとらないで、カラスが寄ってこない方法はないのかな?
◆二つ目は、カラスのリンチ事件◆
これはここの日記にもすでに書いたかもしれない。
半年前くらいだったか?
15:00頃、会社の中の空き地にものすごい数のカラスが集まっていた。
カラスの声がうるさくて、お客さんの電話受けが難しいほど。
しかも声にゆとりがない。
普通なら、カーカーと優雅とはいわないまでもゆったりと鳴いている様子。
この日に限って、余裕のない争いごとでもしているかのようだ。
バイトのおばちゃんが
『ねぇちゃん!カラスがすごいよ!見てみな』
すごいのは声だけでも分かるじゃん。
仕事を中断し、おばちゃんと空き地に行ってみると空き地上の空に数え切れないほどのカラスが。
あれだけの数を見てるとさすがに不気味だ。
よく観察していると、1羽のカラスだけがやられている。しかも空中戦だ。
足でつかまれてクチバシでつつかれ、よろっと傾いた瞬間に違うカラスがすかさず攻撃。
地面に落ちれば、下で待機していたカラスに囲まれて攻撃を受ける。
さすがにじっとは見てられない様子だった。
『ありゃ、他んちの奥さんに手をつけたのが見つかったんだわな。だからあーやってイジメにあってんだ』
とおばちゃんの解説付き。
てぇと何かい?あれは“不倫”なの?
『そーだわいな、ちょっといい気になりすぎたわな。あのあんちゃん』
すげ−。しっかり設定が出来上がっている。
おばちゃんの話ではリンチされているのは若いオスのカラスで、他のメスカラスとの不倫が見つかりみんなから体裁を受けている。
そんな光景が10分も続かない。
集中攻撃を受けたカラスは、職場となりにある小さな神社近くの林に落ちていった。
どーなってしまったのかが気になり、大きな柵を越えて林に入ってみた。
仲間が追いかけて来たのかと思ったのか、それとも人間である私に『寄るな』と声をかけたのか、大きな声で鳴いていたのですぐに居場所が分かった。
近寄ってみると・・・
真っ黒い体が血で真っ赤になり、両目をえぐられ羽根もボロボロ、しかも片方の足が折れているようだった。
ネコにやられてしまうか、そのまま林の中で息絶えるかの状態だったので、そのまま会社へ戻った。
恐ろしいな、カラスのリンチは。
やっぱり不倫の末の結果だったのか?
多分、いや絶対そーじゃないと思う。
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